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水下 誠一
第39回原子力総合シンポジウム予稿集, p.33 - 41, 2001/04
日本をはじめ各国の放射線防護基準は、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告を取り入れている。ICRPの勧告し、基本となる放射線リスク評価から放射線防護の実際まで多岐に渡っており、全体の防護体系は非常に複雑なものになっている。このため、新しい要請等に応えることが困難になりつつあり、統一的で、かつわかりやすい新たな放射線防護体系の構築の必要性が認識されている。このような状況にあって、ICRPは放射線防護の新たな基本勧告の刊行を2005年に計画している。この防護原則の中心となる概念として、ICRP委員長のR. Clarkeが1999年にコントローラブル線量を提唱し、さらにICRPの2000年会合において、より具体的な新しい放射線防護体系を提案している。これまでのこれらの議論の状況について解説し討論する。
水下 誠一
エネルギーレビュー, 20(9), p.9 - 11, 2000/09
国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射線防護にかかわる基本勧告の新たな刊行を2005年に計画している。この新勧告の基本となる放射線防護体系の策定に資するため、防護原則や線量基準等の検討が開始されている。その防護原則の中心となる概念がICRPの委員長であるRoger Clarkeが提唱しているコントローラブル線量(仮称: Controllabe Dose)である。このコントローラブル線量は、これまで複雑であった放射線防護体系を見直して、個人の被ばくに着目した新しい防護体系を目指すものである。ここでは、コントローラブル線量の概要、及び5月に広島で開催された国際放射線防護学会(IRPA)での議論とこれまでに検討された問題点等を解説する。